通勤時間が長いことは借金よりも問題
自宅で働いている人を除いて、必ず発生するのが通勤時間です。特に都心の郊外に住んでいる人などは、1時間から、なかには2時間以上などという人もいます。
冷静に考えてみると、これはかなり無駄なコストです。いろいろな事情があると思いますが、資産形成の面からもできれば改善していくことをお勧めします。
時間当たりのコストを計算する
会社員だと毎月、決まった金額の給与が支払われるはずなので時給を計算できると思います。残業時間は無視して単純な法定勤務時間の8時間でいいので、計算してみてください。
その数字に通勤の時間も足して、再度計算し直してみます。
仮に法定時間の時給が2000円だとしても、職場から片道15分の距離に住んでいる人と、2時間掛かる人ではどれほどの差になるでしょうか?
実際には仕事をしているわけではありませんが、通勤時間も拘束されているので実質的には勤務時間と変わりません。通勤している時に何かトラブルが起きても、労災が発生しますしそのように考えて問題ないでしょう。
そこで再計算すると片道15分の人は合計8時間30分で約1880円、片道2時間の人は何と約1330円です。これが毎日続いたらどのようなことになるのでしょうか?
通勤時間が長いだけで、かなりの損失が発生しているのが分かると思います。もっと言うと、遅刻しないように予備の時間も遠くの人ほど多めに取らなければなりませんからさらにコストの差は拡がります。
まるで遠くから通っている人は、わざわざ借金をしてそのお金を毎日返済し続けているようなものです。どうしてこのようなことになるのか考えてみます。
コストに対して感覚的に判断していると損をする
既婚者の場合は、持ち家にこだわって他のことが見えなくなっている場合もあります。実際にまともな家が購入できるのが、職場から1時間半以上も離れていたらどうでしょうか?
住宅ローンに加えて、毎日の通勤時間によるコストも加算されてその分、借入金が増加しているのと同じです。これが30年以上も続くとなったらぞっとする話しです。
さらに転勤などがある会社なら、単身赴任や家族で引越しても、今までより余計にお金が掛かるのが普通です。転勤に伴う会社の補助が出てもおそらくマイナスになるでしょう。
これが賃貸物件であれば、都会から地方への異動であればコストが減るので逆に有利になります。
独身者の場合は、家賃の金額を考えて職場から離れたところに住んでいることもあります。でも実際に1~2万円家賃が高くても先ほどの計算から考えても通勤時間が短いところに住んだほうがお得です。
古い物件ならさらに家賃の差も少なくなるでしょうし、通勤時間が短くなれば月に少しくらい副業のアルバイトをしても負担は少ないはずです。
もしあなたが独身で通勤時間が長めなら、すぐにでも引越しを考えることをお勧めします。若い頃は仕事も覚えなければなりませんし、浮いた時間で早めに出勤したり、サービス残業であっても能力を高めることに使った方が長期的に考えて有利に働きます。
このようなコスト計算をして、冷静に判断するべきです。感覚に頼るとだいたい損をしてしまいます。
体力の消耗を馬鹿にしない
コストの問題とともに、仕事のパフォーマンスを考える必要もあります。会社では入社時の給与から計算上の時給をあげていくためには、
もちろん成果を上げて昇進していかなければなりません。
これが例えば、満員電車で身動きも取れない状態で圧迫されていると、かなり体力を消耗するでしょう。仕事に集中したくても年齢とともに疲れが出てきて差が発生します。
そして当然、睡眠時間も職場から離れて住んでいる人ほど短くなりますからパフォーマンスも落ちてきます。休日も疲労感がかなり残るはずです。
元気な状態で会社に来られる人間との差は馬鹿にできません。特に家を購入することをを考えている人は、長期的な体力の衰えなども考慮にいれたほうがいいです。
まとめ
あなたが学校を卒業してから何年働くか分かりませんが、通勤時間というのは大きなコストだと思って間違いありません。仕事で大きな成果を上げるためにも、できるだけ職場から近くに住むということを考えてください。
お金を借りることには抵抗が強い人も、なぜか通勤時間に対しては文句を言いながらも受け入れている場合が多いのです。しかも借金は返済できますが、時間の浪費は取り返しがつきません。
長期的に資産を構築するためにも、住む場所というのはよくよく考えて決めましょう。